高い信頼性を有するパワーエレクトロニクス回路の開発 - 日下 佳祐

電気電子情報系 准教授 日下 佳祐
Q. パワーエレクトロニクスとは何ですか?
電気の形を変える技術です。直流を交流に変える、電圧を上げる・下げる、バッテリを充電する、といった場面で使われています。電気自動車、鉄道、家電、データセンタなど、私たちの生活を支える多くの機器に用いられています。近年は、高効率であることに加えて、長期間安定して動作する高い信頼性も求められています。
Q. なぜ「高い信頼性」が重要なのですか?
回路が故障すると、電気自動車が走行できなくなったり、工場の操業が停止したりします。故障原因の一つとして内部で発生する損失があります。損失とは、電気エネルギーの一部が熱として失われることです。この熱が大きくなると、半導体素子、磁気部品、ハンダなどの劣化や故障につながります。私達は、回路内の損失をリアルタイムに把握する技術について研究しています。
Q. 損失をリアルタイムに測ると、どのようなことが可能になりますか?
故障診断が可能になります。たとえば、通常より半導体損失が増えている場合、半導体素子の劣化や冷却性能の低下が疑われます。また、鉄損や銅損の変化から、磁気部品の異常を推定できます。また、損失最小化も可能となります。パワーエレクトロニクス回路では、制御方式を変えることで損失の分布が変わります。リアルタイムに損失を見ながら制御を調整できれば、動作条件に応じて損失の小さい運転が可能になります。
このように、私たちは、回路内の損失をリアルタイムに把握する技術を通して、電力変換回路を「壊れにくく、長く使える」ものにし、電気自動車、再生可能エネルギー、産業機器などの信頼性向上への貢献を目指しています。


日下 佳祐 Kusaka Keisuke
電気電子情報系 准教授(2026年10月現在)
- 2024年4月 - 現在 長岡技術科学大学 電気電子情報系 准教授
- 2021年11月 - 2024年3月 長岡技術科学大学 産学融合トップランナー養成センター 産学融合特任講師
- 2018年4月 - 2021年10月 長岡技術科学大学 助教
- 2016年4月 - 2018年3月 長岡技術科学大学 産学官連携研究員
